認知症の方の介護をしている人たちにとって難しいのが「徘徊対策」です。徘徊とは、家や施設から出て行ってしまうことです。遠くまで歩いていくうちに道が分からなくなり、迷子になってしまいます。実際に、ちょっと目を離したすきに家や施設を出てしまい、徘徊して鉄道事故に遭ったというケースもあるので気が抜けません。
だからといって、鍵をかけて閉じ込め見張るというのは、なかなか現実的ではありません。たとえ鍵をかけていても、ちょっとした隙に出て行ってしまうかもしれません。徘徊の原因の1つは不安による落ち着きのなさなので、過剰な徘徊で困っている場合は、精神科などを受診して薬を処方してもらうことができます。もし、まだそこまで困っていない、たまに徘徊する程度である、という段階ならば適度な運動により、徘徊の原因となっている不安やストレスを和らげることで、徘徊が落ち着く場合があります。
ただじっと座ってテレビを見たり、ラジオを聞いたりしているというのも辛いものです。体力がある方ならば、適度に運動してエネルギーを発散すると良いでしょう。心地良い疲労感でストレスが和らぎますし、寝つきが良くなるので夜間の徘徊対策としても効果的です。施設でのレクリエーションで体を動かすのもいいですし、ウォーキングは、足腰が鍛えられるうえ、季節を感じられて気分がリフレッシュします。他にも介護する上で知っておくとよい徘徊対策がありますので、少しずつ取り入れていきましょう。